アジア・フリーク(Asia Freak)

タイを中心にアジア探索の記録

新・戦争論

 ■レビュー

 

対談によって、両者の知識、認識力が活かされ、国際情勢の見方について、基本的で本質的な理解を深められる。

 
 

第5章

 

朝鮮は、新たな労働市場としての魅力的なポテンシャルがある。

 
 

第6章

 

中国についても興味深い。

 

尖閣諸島の領有権問題について、日本が連邦制を布き、中国とではなく、「中国の一部」である台湾との話し合いとして、国家から地方にレベルを変えて、軟着陸を図るというのは一案だ。
ただ、本章でも言われる通り、中国の東側は経済発展に必要なだけあって、外交的な手腕も必要とされる。

 

「チュルク・ベルト」「イスラム・ベルト」の見方は、納得。

 
 

終章

 

(P248〜249)
『「この争いは無益だ」と思うためには、一定の数の人間が死なないとだめなのですが、それは、ある国では何十人、ある国では何万人になる。時期によっても、変わります。』
『誤解を恐れずに言えば、まだ殺し足りないから』
『流血の不足』
『「これ以上犠牲が出るのは嫌だ」とお互いが思うところまで行かないと、和解は成立しない』

 

インパクトの強い表現だが、ポイントをついた現実だと思う。

 

これは、流血の惨事に限らず、あらゆる争い事の繰り返し
総てに当てはまると思う。

 

理屈や法、理性が働かず、感覚的に教訓を得ない限り、不幸を繰り返してしまうという現実だ。

 

場合によっては、本書でも指摘されている、シリアのような革命的な状況から、地域的なカオス状態になる危険がある。