アジア・フリーク(Asia Freak)

タイを中心にアジア探索の記録

ミャンマー土着ムスリム―仏教徒社会に生きるマイノリティの歴史と現在 (ブックレット アジアを学ぼう)

 

ミャンマー土着ムスリム―仏教徒社会に生きるマイノリティの歴史と現在 (ブックレット アジアを学ぼう)

ミャンマー土着ムスリム―仏教徒社会に生きるマイノリティの歴史と現在 (ブックレット アジアを学ぼう)

 

 

★内容紹介
古くはアラブやインドとの交易により、また植民地時代に流入したムスリム。人口の1割を占めるという彼らが、さまざまな軋轢の中、この国を故郷として生き抜こうとする姿を描く。

★著者について
斎藤紋子(さいとう あやこ) 1970年、東京都出身。 東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。 現在、東京外国語大学上智大学津田塾大学非常勤講師。上智大学アジア文化研究所客員研究所員。 おもな論文:「ビルマにおけるムスリム住民に対する見えざる「政策」:国民登録証にまつわる問題」『言語・地域文化研究』第13号(東京外国語大学大学院、2007年)、‘The Concept of Citizens and Non- Indigenous Residents under the Ne Win Regime : From the 1982 Burma Citizenship Law and Related Materials.’ Edited by Justin Watkins and Masami Arai. Proceedings of the SOAS/TUFS Postgraduate Symposium: London, 20-21 February 2006. 東京外国語大学大学院21世紀COEプログラム「史資料ハブ地域文化研究拠点」研究叢書。

★レビュー

融和のため努力するバマー・ムスリムについての貴重なレポート。

ミャンマームスリムのなかでも、ミャンマー土着の非仏教徒"バマー・ムスリム"が、ミャンマー国民として、対立せず、融和を図る努力をしているとのレポート。

世界各地で、思想の違いが、殺し合いに至る場合も多い中で、バマー・ムスリムのこうした努力の歴史は、世界的にも示唆に富むことだと思う。

この意味で、非常に貴重なレポートだと思う。

他方、ミャンマー政府のムスリムに対する姿勢について、もう少し観点をレポートしていただければ、現実の全体像が掴めたかと思う。


(メモ)

ミャンマームスリム

ヤカイン州
・カマン(政府公認)
ロヒンギャー(政府非公認)

・パンデー(中華系)
・パシュー(マレー系)
・インド系を指す名称は無い
・カラー(インド人;または暗にインド系ムスリム;差別的ニュアンスを含むことがある)
・バマー・ムスリム(宗教がイスラームという以外、ミャンマー仏教徒と服装、言葉などは同様。ミャンマー国籍)

・パディ(ミャンマー王朝時代に土着化したムスリム


・ヤーザディリ
バゴー王国の王子バーガヤーグエが、バゴーの沿岸一帯に古くから住んでいたムスリムに、皇后たちの反逆を押さえる助けを頼み、協力した功績により授けた称号。