アジア・フリーク(Asia Freak)

タイを中心にアジア探索の記録

ラーチャブリー外伝 〜 バンコク→カオビン洞窟→ヤワラ

2018年4月7日(土曜日) 無謀な旅

  4月6日(金曜日)が現チャクリー王朝の記念日で祝日のため、土日と合わせて三連休。

  これまで年に1度行くくらいのパタヤにも、人が来るとかの理由で、つい先日、週末二連続で行ってしまったので、この三連休に三週連続で行く気もしない。

 

  以前、ベトナムをバイクで縦断したという方の旅行記(『行け!ベトナム街道』)を読んで以来、タイをバイクでのんびり回ってみたいと思っていた。

  当面、行き先として関心があったのは、

  1. サケオ県のクメール遺跡とマイナーな国境巡り
  2. タイからミャンマーのダウェーへ抜ける新しい国境の町、プ・ナム・ローン(พุน้ำร้อน PHú nám rɔ́ɔn)

 

  4月6日(金曜日)、何となくどこにも行く気になれず、バンコクで日常の買出しをして、のんびり過ごした。

  Google Mapsでいろいろ見ていると、ラーチャブリー県に洞窟(カオビン洞窟)があるのを見つけた。

  プ・ナム・ローンまではバンコクから190キロもあるけど、カオビン洞窟なら130キロで腕慣らし程度に、長距離を走る感覚を掴むのにいいかと思った。

 

  4月7日(土曜日)、それでも何となく乗り気になれず、結局バンコクを出たのが13:30。

  カオビン洞窟は、17:00で終了だったが、Google Mapsでは車で2時間と出ていたので、遅くても16:00には着けるだろう、万が一は、宿を探せばいい、と安易に思って、あとは勢いで出発した。

 

13:30 出発 (バイクメーター:2583)

  この日は、何となく曇り空で、チャオプラヤー川を西へ渡ると、小雨がぱらついてきた。そして、風もやや冷たい。

  Google MapsGPSナビに従いながらも、変なところで間違った方向に誘導されることが何度かありつつ、ようやく西に向かう幹線道路を安定的にひた走る。

  だんだん景色が、都会の高層ビルの景観から、畑などの農村の景観に変わってくる。

  頑張って走って、2時間半。休息と携帯の充電を兼ねて、マクドナルドに飛び込む。

  この時、既に16:00前。。。

 

15:50 マクドナルド(ラーチャブリー県)

  Google Mapsで確認すると、マクドナルドから29分の距離と出る。

  10分ほどして、カオビン洞窟へ向かう。

  またも、Google Mapsの誘導が何度も可怪しい。陸橋の上を走っている時に右折しろとと言ったり、まったく関係ないところで左折しろと良く言う。

  お掛けで、遠回りして、カオビン洞窟に着いたのは、、、、17:00。

 

17:00 カオビン洞窟 着・出発(バイクメーター:2729)

  言われることは分かってたけど、洞窟の入口に向かうと、入口の手前にいるオバサンに元気よく言われた。

ถ้ำ ปิด แล้ว ค่ะ

タム・ぴと・レーオ・カ

洞窟は閉まりました

  知っていたが、一応、見学時間帯を聞くと、8:00〜17:00と言われた。

  念の為、写真を撮って、素直に帰る。

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  周辺にホテルなど見当たらない、どんよりした景色。

  素直にバンコクに帰る。

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  このタイプの岩山、カンボジアバッタンバッタン州で、同じような景色の農道に迷い込み、ひたすら不安の中、バイクでホコリまみれになって駆け抜けた時を思い出す。

  バッタンバッタンでは、あたり一面街灯もない中、日が落ちたら進めないのではないかというような、永遠に続く砂利道だったけど、ラーチャブリーでは舗装された幹線道路を走ることができた分、不安は無かった。

  岩山の上の方に、洞窟のような箇所があった。

  西暦610年8月19日、サウジアラビアにあるヒラー山の洞窟で独り瞑想に耽っていたムハンマドが、突然、神からの啓示を初めてうけたと伝えられる。

  ヒラー山に行ったことはないけど、ムハンマドが啓示をうけたのは、あんな山の上の洞窟だったんだろうか、などとふと思う。

  でも、コウモリとか雑菌とか、スズメバチとか毒蛇とか、こんなどんよりした日に、あんな寂しい人目につかない山の上の洞窟で、独り事故死するのは嫌なので、敢えて登ろうというような探検家魂は無い。整備もされていないだろうから、いきなり崩れるかもしれないし。

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  土曜日なので、バンコクの行き先をヤワラ(中華街)の夜市(クロントム)にセットして、帰路につく。

 

  帰路が、ヤバかった。超、ヤバイ

  よくあの困難をくぐり抜けてきたと思う。

 

  帰路、ひたすらバイクで走る。

  雨は降らなかったものの、風がだんだん冷たくなる。

  ラーチャブリーのShellで給油して、ヤワラまでほぼノンストップ。

 

  途中、トンブリ方面とピンクラオ方面に道が分かれる。

  行きは、トンブリから来たけど、帰りは、ヤワラに行くのでピンクラオ方面に向かう。

  ピンクラオ方面は、ペーッカセーム通りからボロムラーッチャチョンナニー通りに入る。

  行きと帰りで道が違うので勝手が分からない。

  ボロムラーッチャチョンナニー通りなんて、初めて通る。

  またGoogle MapsGPSが変な誘導をしたので、ボロムラーッチャチョンナニー通りに入って10キロくらい走ったのに、側道から幹線道路に戻れず、Uターン。10キロ程をペーッカセーム通りまで戻り、やり直し。

  既に、寒くて感覚が無い中、Uターンして無駄な往復20キロを走った。

  ボロムラーッチャチョンナニー通りを進むと、Google MapsGPSが幹線道路から左の側道に入るように誘導した。

  幹線道路は、そのまま進んでもピンクラオに向かう交通標識があったけど、GPSの誘導に従った。

  幹線道路から左に逸れると、すぐに高架の道路へ上るしか道が無かった。

  凄く変な様子だと思いながらも、高架の道路を走ったが、どう見ても、どう考えても、高速道路。

  高架道路の下には、並行して走る道もある。

  高速道路じゃないかと思いながらも、進む。

  途中、車の窓を開けて面白そうにこちらを見るタイ人たちが追い抜いていった。

  高速道路は、バイク禁止なので、一切バイクは走っていなかった。

  高速道路は、高いところなので、寒いし、風が強いし、タイの高速道路は壁が低くバイクで転んだら高架から真っ逆さまに落ちる。

 

【参考】タイの高速道路は壁が低い

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  進むしかないので進むと、左に逸れる分岐点があり、その先に料金所があった。

  左に逸れる道の分岐点には、バイク禁止の標識。違反は罰金1000バーツとある。

  ここで(ここから先?)バイク禁止の標識があるということは、今までのは高速道路じゃないのか?とも思いつつ、更に走る。

  やはり、どうみても高速道路なので、意を決して、次、高速道路に上がってくる道があるところまで走り、高速道路に上がる道を逆走して下の道路に降りた。

  下の道路に降りると、バイク禁止の標識があり、やはり高速道路だと分かった。

  長距離走ってきた疲れと、寒さもあり、ようやく下の道路に降りれて一安心。

  そもそも、ボロムラーッチャチョンナニー通りから高速道路に上がるところでは、高速道路やバイク禁止の標識も無かったように思う。

  GPSの設定も高速道路は使わない設定にしていたので、気が付いたら高速道路だったのは、とても恐い思いをした。

 

【参考】高速道路に上がる前にはバイク禁止の標識がある。罰金1000バーツ。

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  途中、1000バーツの罰金を払ってでも、安心して下の道に誘導してほもらったほうがいいかとの気持ちもあった。

  昼間だったら、警察沙汰、というか、テレビ沙汰になっていたかもしれない。

  夜で、しかも週末だったせいか高速警察もおらず、警察沙汰にもならず、無事に下の道路に降りることができた。

 

  高速道路を降りると、見慣れたPATAまで程近いところだった。

  ピンクラオの橋を越え、王宮広場を通り過ぎ、花火市場の脇を通って、ようやくヤワラに到着。

 

20:00 ヤワラ(バイクメーター:2860)

 

 

  後日、振り返っても、高速道路は恐かった。

 

  暫く間を置きたいけど、道も分かったので、今度はラーチャブリー県で一泊してもいいので、ゆったりした気持ちで、再度、行くと思う。

 

  今回は、無謀な旅だったけど、もっと歳を取ったら、こんな気力、体力、根気を使うことはできないと思う。

  久しぶりに、勢い任せのJourney(往復のTripではなく、進むごとに新しい事がある行程)というか、Trek(困難を伴う行程)をした。

 

  あと、ビックリしたのは、ラーチャブリーで給油し、ヤワラを経て帰宅したけど、バイクのガソリンメーターは、1つしか減っていなかった。

  帰路、大部分を50キロから70キロで走り続けたら、それ程ガソリンを食わなかったのは驚き。

  普段、バンコク市内をゆっくり走ると、だいたい1メーター減ったりするので、ある程度のスピードでずっと走れば、ガソリンは食わないと分かった。