スラウォン?スリウォン?スリヤウォン?
バンコクの金融拠点があつまるシーロム通りと並行した通りで、日本人街タニヤやゴーゴーバー、パッポン夜市とも面した通りと言えば「スラウォン通り」。
「スラウォン」とも聞くし、人によっては「スリウォン」という人もいる。標識では「スリヤウォン」という表記があったりもする。
タイ人と場所の話をする時は、「スラウォン」というのが普通で、「スリヤウォン」という人は会ったことがない。
地元で生まれ育った人に訊いても、何が正しい名称なのか良く分かっていないので調べてみた。
■地名
正しくは、
Bangkok > Khet Bangrak > Khwaeng Suriyawong
バンコク都バーンラック地区スリヤウォン小区
「สุริยวงศ์ sùríyáwoŋ スりヤウォん」が公式名称。
กรุงเทพมหานคร gruŋTHêePHmáhǎanáKHɔɔr ぐるんテーぷマハーナコーン ※バンコク都
เขต KHèet ケーと:ケート、地区
บางรัก baaŋrág バーんらっぐ ※Bangrak バーンラック
แขวง KHwæ̌æŋ クウェーん:小区
สุริยวงศ์ sùríyáwoŋ スりヤウォん
■通り名
正しくは、地名に合わせて、
「ถนน สุริยวงศ์ THànǒn sùríyáwoŋ タノン・スりヤウォん(通り・スリヤウォン)」が公式名称。
なぜ「スラウォン、スリウォン、スリヤウォン」の3つの名称があるかというと、過去、実際に使われていたので、今でも庶民の間では生き残っているから。
สุริวงศ์ sùríwoŋ スりウォん
สุรวงศ์ sùráwoŋ スらウォん
สุริยวงศ์ sùríyáwoŋ スりヤウォん
当初、この地名は建設者の名前から「スラウォン」であるべきところ、
なぜか「スリウォン」と呼び慣わされていた。
その後、「スリヤウォン」と定められた、というのが経緯のようです。
地名が「スリヤウォン」と定められたことで、通り名も「スリヤウォン通り」が公式名称だとのこと。
ちなみに、スリヤウォンの語源「สุริยะ sùríyá スりヤ」は「太陽」。
紀元前2500年から伝わるバラモン教の聖典「リグ・ヴェーダ」に登場する、太陽神「スーリヤ」のこと。
バラモン教の思想を引き継ぎ、インド各地の神々を吸収しながら拡大したヒンドゥー教でも、太陽神「スーリヤ」は崇拝され、東南アジアに伝わったヒンドゥー教でも崇拝の対象となった。
カンボジアの世界遺産アンコールワットは、12世紀前半、クメール王朝のスーリヤヴァルマン2世によって、ヒンドゥー教寺院として建てられた。スーリヤは太陽、ヴァルマンは王なので、スーリヤヴァルマンは、太陽王という意味。
現在タイ領域にあるクメール遺跡からも太陽神「スーリヤ」の像が見つかっていて、タイ国立博物館でみることができる。
スリヤウォンとアンコールワットは、太陽神「スーリヤ」という点で共通項があるというのは面白いと思う。
そして、スリヤウォンの「วงศ์ woŋ ウォん」は「family 一族」という意味。
スリヤウォンは「太陽族」という意味。
参考
山田教授に教えてもらうバンコクの地名の意味・由来【第3回 シーロム通り】 | ISHIKAWA NEWS | 石川商事
สุรวงศ์ หรือ สุริวงศ์ จึงจะถูก? (คืออะไร หมายถึง ความหมาย) - ถามตอบที่ Sanook! Guru