アジア・フリーク(Asia Freak)

タイを中心にアジア探索の記録

ヴィシュヌ

英語:Vishnu, Visnu
梵語:विष्णु
漢語:毗湿奴
日語:毘紐天
泰語:พระ วิษณุ phrá wítsànú プら・ウィっサヌ

 

機能:宇宙原理の維持、守護
   พระ ผู้ ปกป้อง รักษา phrá pòkpɔ̂ŋ ráksăa プら・プー・ぽっぐぽん・らっぐサー:(聖・人・護り・維持:守護し維持する聖人)維持神
容姿:一面四臂
   ๑ พักตร์ ๔ กร nʉ̀ŋ phág sìi gɔɔr ヌん・パっぐ・スィー・ごーン:(1・顔・4・腕)
持物:チャクラ(チャクラン:法輪)、棍棒、法螺貝、蓮
   จักร jàk じゃぐ:チャクラ
   คทา kháthaa カター:棍棒
   สังข์ săng サん:法螺貝
   ดอกบัว dɔ̀ɔg bua ドーぐ・ブア:蓮華
   ธรณี thɔɔránii トーらニー:球体の大地(地球) ※蓮のような文様で球体の大地(地球)を表すこともある。
乗物:ガルーダ
   ครุฑ khrúth クるっと
   ガルーダは、ほかにもนกอินทรี(nóg'insii ノっぐインスィー:鷲)とも表現される。
配偶:ラクシュミー
   ลักษมี lágsàmǐi ラっぐサミー
化身:マツヤ、クールマ、ヴァラーハ、ヴァーマナ、クリシュナ、カルキ、ブッダ、パラシュラーマ、ラーマ、ナラシンハ、等

 

解説:
 ヒンドゥー教の三神一体(Trimurti トリムルティ:ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)を形成する一柱。
 ヴィシュヌは、ヴィシュ(vish:浸透する)が語源とも言われ、太陽光が遍くゆきわたるように、繁栄維持(スティティ)の象徴として人格化された神。
 ヴィシュヌ信仰が拡大した背景として、多くの神々をヴィシュヌ神の化身(アヴァターラ;avatar)として取り込んでいったことがある。不死、至上の神ヴィシュヌが、世の中を救済するため、不浄の世の中に、死ある人などの姿(化身)として現れる。

 

★ヴィシュヌを描いた「まぐさ」

ブリラム県プラーン・グー・スワン・テーン寺院発掘。12世紀頃の作品。(バンコク国立博物館所蔵)
 竜王アナンタの上に横になり瞑想するヴィシュヌを描いた「まぐさ」。周囲の葉模様は、ヒンドゥー教創世神話の舞台である乳海を表している。
 最上部中央には、ヴィシュヌの臍から生えた蓮と、生命を象徴する蓮から生まれたブラフマーが描かれている。ヴィシュヌからブラフマーが生まれたとする思想は、ブラフマーが創造神であることを否定し、ヴィシュヌが最高神であるとするヴィシュヌ信仰を意味する。

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