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インド神話―マハーバーラタの神々

 

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

 

★内容(「BOOK」データベースより)

悠久の時間と広大な自然に育まれたインド神話の世界を原典から平易に再現した紹介書。ヴェーダ聖典中の神々と神話から始まり、大叙事詩マハーバーラタ』を中心として重要な神話を選び出し、他の伝承と比較することにより、有名なインド神話を可能な限り網羅した。不死の霊水アムリタ(甘露)を手に入れるため、神々と悪魔たちとが協力し、マンダラ山を棒にして大海を攪拌する「乳海攪拌」の神話、雨を降らせるため天女が仙人を誘惑する「一角仙人伝説」、猪・人獅子・朱儒・ラーマ・クリシュナなどに化身して、悪魔と闘うものたちを助ける「ヴィシュヌの十化身」、最も崇拝を集めるクリシュナの偉業に関する伝説などを含む。

 

★著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

上村/勝彦

1944年、東京に生まれる。1967年、東京大学文学部卒業。1970年、同大学院人文科学研究科(印度哲学)修士課程修了。サンスクリット詩学専攻。東京大学東洋文化研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

★目次

第1章 ヴェーダの神話(ヴェーダ文献について、リグ・ヴェーダの神々 ほか)
第2章 叙事詩の神話(大海の攪拌と甘露、竜を食うガルダ鳥 ほか)
第3章 ヴィシュヌ神話(梵天がヴィシュヌの臍から生じたこと、北極星となったドゥルヴァ ほか)
第4章 クリシュナ伝説(ヴィシュヌ神の降臨、クリシュナの誕生 ほか)

 

★レビュー

  インド、カンボジアのアンコール遺跡などを理解する際、ヒンドゥー教の神話を把握していると、より深く鑑賞できる。

  アンコールワットなどの壁画に描かれる「乳海攪拌」や大亀アクーパーラ、インドラ(帝釈天)やルドラ(暴風雨神)の持ち物(武器)である金剛杵(こんごうしょ;vajra ヴァジュラ)など、主要なインド神話が読みやすい。

 

Ref.

★インドラ神

(英語) Indra
(泰語) พระอินทร์(PHrá・?in プら・イン)、 เทเวศ(THeewêeTH テーウェーと:「最高神」の意味)

                 Cf.バンコクには、รามอินทรา(raam・?inTHraa らー厶・イントらー)という地名や、チャオプラヤー川にテーウェートという船着き場がある。

 

ヴィシュヌ神

(英語)Vishnu
(泰語)วิษณุกรรม(wítsànú・gam ウィっサヌ・がー厶)、 พระวิษณุ(PHrá・wítsànú)、พระนารายณ์(PHrá・naaraai プら・ナーらーイ)、 มหิธร(máhìTHoor マヒトーン)
                Cf.พิษณุโลก(PHítsànú・lôog ピサヌ・ローぐ):(ヴィシュヌ・世界→ヴィシュヌ世界)ピサヌローク県

 

シヴァ神

(英語) Shiva
(泰語) พระศิวะ(PHrá・sìwá プら・スィワ)、พระอิศวร(PHrá・?ìsǔan プら・イスアン)
                 Cf. タイ語で東北地域を意味する「อีสาน(?iisǎan イーサーン)」は、アンコール王朝に先立つ古代国家「真臘(しんろう; 漢音でチェンラ Chenla)」の王都「イシャーナプラ(サンスクリット語 Īśānapura)」に由来する。「イシャーナ」は、シヴァのことで、タイ語 อิศวร(?ìsǔan イスアン)に対応する語。
                 Cf.イシャーナヴァルマン1世(Isanavarman I):チェンラの王(616-637)で、 イシャーナプラを王都とした。