アジア・フリーク(Asia Freak)

タイを中心にアジア探索の記録

台湾の若者を知りたい (岩波ジュニア新書)

台湾の若者を知りたい (岩波ジュニア新書)

台湾の若者を知りたい (岩波ジュニア新書)

 

■目次 

第1章 台湾の基本知識(台湾の位置と大きさと人口
台湾はいつも「夏」 ほか)
第2章 小学生の日常から台湾の生活事情を知る(日本よりやや早い登校時間
朝の掃除と「升旗朝会」 ほか)
第3章 日本とはちょっと違う?台湾の高校生活(台湾の高校・高専
台湾の高校入試「会考」 ほか)
第4章 台湾の大学生活―兵役はあるけど就活はない(進学先は「大専校院」
多様な入試と選抜―「多元入試」「多元入学」 ほか)
第5章 台湾人の本音(台湾は「親日国」、台湾人は「親日家」
アンケート調査で台湾人の本音を探る ほか)

 

■レビュー

  2018年6月4日、たまたま東京の書店で物色していて見つけたのが本書。

  申し訳ないけど、書店では買わず、書店と同じ価格でポイントが付き、家まで配送してくれるAmazonで購入。Amazon Prime会員なので、送料無料、翌日配送してくれる。

  できれば電子書籍がよかったけど、現時点では紙書籍しか出版されていない。

  発売日は2018年5月23日なので出版されたばかり。6月7日から10日まで台北を観光する予定だったので、ちょうどよかった。

  岩波ジュニア新書なので、若い就学世代を対象にしていて、読みやすい。

  内容は、台湾の基本情報(第1章)、台湾の学校事情(第2、3、4章)、アンケートをもとにした台湾人の考え方と日本人に対する印象(第5章)。

  台湾と台湾人を理解する足掛かりとして良かった。

  旅行で行く場合、第5章(台湾人の本音)、第1章(台湾の基本知識)は、事前情報として役に立つ。

 

第5章(台湾人の本音)

  「→」は、台湾旅行中(2018年6月7日〜10日)にあったこと。

  • 2016年20歳から80歳の男女へのアンケートでは、56%が好きな国は日本と回答。
  • 台湾人は冷たいものを食べる習慣がない。
  • 本音と建前。日本人の表面的な付き合いに冷たさを感じる。意志をはっきり伝える方がいい。→台湾人と話す時に自分の意志をなるべく伝えて、お互い不信感が起こらないようにするのに役立った。
  • 共通の話題で仲良くなるには、お互いに理解し合おうという姿勢が必要。ある日本人から『台湾には海がある?』と聞かれた時の挫折感は非常に大きく、話題をつなげることができなかった。
  • 日本人は、台湾人と話す時、相手の理解度を考えずに話すスピードが早くて理解が追いつかない。→日本が好きで日本語が少し話せる台湾人たちと日本語で話す時の参考になった。
  • 繁体字簡体字→中国本土で公式に使われる簡体字ではなく、画数の多い繁体字を使うことを台湾人は誇りとしている。台北で会った台湾人に訊くと、香港の繁体字と台湾の繁体字は特に違いがないらしい。香港独自の繁体字があるようにも思うけど。あと、簡体字の方が早く書けて楽じゃない?と訊くと、否定はしなかった。自分なりに崩して書くけど、あとで分からなくなる時もあるらしい。まぁ、そこは日本でも同じ。
  • 男女関係
  • 政治の話題は避けるべき。

 

第1章(台湾の基本知識)

  「中華民国」建国までの経緯や、中国本土から台湾島へ移ってきた福佬人、客家人外省人と、台湾島に以前からいた原住民族など、人によって政治的な立場があるということ。

  中国本土から台湾島へ移ってきた政治勢力が建国した「中華民国」に対して、同胞意識を持てない原住民勢力もある。「中華民国」ではなく、原住民も含めた「台湾(臺灣)」として独立した方が良いとの考え方もあるなど、台湾の政治問題も解説されている。

  週末の台北では、臺灣獨立の旗を掲げて町中を歩く人たちを見かけた。周囲の人たちは、ほとんど気を止めていないようだったけど、「中華民国」と「臺灣」とで、政治的な意味合いが異なることを知っておくだけでも、理解に役立つ。

 

第2、3、4章(台湾の学校事情)

  小・中・高・大学校生活の流れ、授業の時間割、受験、学校の種類など、台湾の就学事情は、台湾に暮らす日本人にとっては事前情報としていいと思う。旅行者は、接する機会が無いので、第1、5章を読んで、更に台湾について知るために読むといい。