外国人が働きたい国ランキング、日本はワースト2位 敬遠される理由は?
日本の技能実習制度は、日本人に内在する人権感覚がもろにあらわれる不都合な真実だと思う。
お隣、韓国では、技能実習制度による外国人の受け入れで、一部、日本と同様の問題があるものの、一般的には、技能実習生のために寮を新築したり、食事を無料提供したりと、海外からの貴重な労働力を失わないため、各企業が優遇を競っているという報道もある。
日本にも、実習生に配慮して受け入れている企業はある。
数年前、タイで受け入れていたベトナム人たちの中にも、一人は日本で、一人は韓国で、技能実習生として働きに行った人がいる。
タイで稼いだ資金をもとに、祖国ベトナムにもどって、結婚、子供ができ、日本語、韓国語を学んで、出稼ぎに出た。幸い、二人とも楽しくやっているようなので、よかった。
タイに駐在する日本人には、現地の人たちを見下して罵倒するキチガイじみた人も未だに多くいる。
日本人のアジア蔑視は、未だに根強く、「大東亜共栄」の名のもとにアジアを侵略し、中国、フィリピン、インドネシアなどで、むごい無差別殺人をした歴史的事実には目をつぶり、日本を美化する一辺倒の傲慢さを顧みない限り、日本人の精神的後進性は停滞したままなのかもしれない。
経済、技術の面でも、日本の停滞が数字として指摘されながらも、改革、変化できない日本人に対して、中国、ベトナム、カンボジア、タイなどは、ちゃくちゃくと進化しようとしている。
中には、停滞の日本を去り、中国や他国に移住する中国人や日本人も増えている。
観光、安全では世界の上位(観光:14位、安全:東京1位、大阪3位)だけど、働く場所としてはワースト2位といのは、日本の陰と陽を表している。
中国のウイグルやチベット問題、香港の逃亡犯条例の問題、アメリカやヨーロッパの白人第一主義、「アラブの春」の失敗、独裁的支配者の登場などは、20世紀の思想・価値観では対応できなくなっている、社会のある種の行き詰まりだと思う。
20世紀の戦争、経済問題から、21世紀は人権、環境問題へと世界の論点は移行しているということだと思う。
アマゾンの森林火災対応などは、人心が環境に影響を及ぼしている事例だと思う。
バンコクも2100年頃には、地盤沈下と海面上昇の影響で、このままだと全域水没するだろうとの見解は、国際機関もタイの専門家の間でも一致しているという。
ODAや支援の取り組みをどういう思想に基づいて取り組むかなど、人権意識と環境問題は、まさに現代のテーマだと思わされる。
★参考
月刊『潮2019年10月号』
安田峰俊氏によるルポ『外国人技能実習生を追い詰める過酷な現実(上)』
アジアの若者を食い物にするグロテスクな実態のルポ。
月刊『潮2019年11月号』
安田峰俊氏によるルポ『外国人技能実習生 送り出し国から見た「負」の側面を追い詰める過酷な現実(下)』
日本で働くアジアの若者たちの問われる意識と制度の問題点
- 出版社/メーカー: 潮出版社
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