【タイ語】天国へ行く、地獄へ落ちる
火葬の時に踊りながら見送るという、少し変わった風景。
เต้นหน้าเมรุ ส่งเพื่อนไปสวรรค์ !!
●投稿者のコメント
เต้น หน้า เมรุ
ten nâa meerú
てン・ナー・メーる
踊・前・火葬場
火葬場の前で踊り(ながら)
ส่ง เพื่อน ไป สวรรค์
sòŋ PHʉ̂an pai sàwăn
ソん・プアン・ぱイ・サワン
送・友・行く・天国
友達を天国へ送る
●関連表現
「天国へ行く」は、
ไป สวรรค์ pai sàwăn 行く・天国
逆に、
「地獄に落ちる」は、
ตก นรก tòg náróg とっぐ・ナろっぐ 落・地獄 → 地獄に落ちる
または、
ลง นรก loŋ náróg ロん・ナろっぐ 下る・地獄 → 地獄に下る
ちなみに、นรก náróg は、「地獄」以外に、「地下世界」の意味もある。
『The 33』という、地下鉱脈に69日間閉じ込めらるという映画タイトルのタイ語訳には、
ใต้ นรก tâi náróg たイ・ナろっぐ 下・地下世界 → 地下世界(の下)で
という副題がついている。
เมรุ meerú メーる は、「火葬場」の意味。
語源は、「メール山」。
古代インドの宇宙観では、世界の中心には天界(天国)であるメール山があり、神々を統率する軍神インドラ(帝釈天)が住んでいるという世界観がある。
火葬文化のタイ仏教で、火葬場で焼身することで、救われて天界のメール山へ行くということから、火葬場をメールと言うようになったのかもしれない。
เมือง สวรรค์ mʉaŋ sàwăn ムアん・サワン 天界
メール山は、インド起源の宗教・思想では共通した世界観。
中国を経た仏教では須弥山(しゅみせん)という名前でも知られる。須弥山の須は、shuまたはsuの読みで、サンスクリット語で「善」を意味する。タイ語でもเมรุ meerú は、สุเมรุ sùmeerú とも言われる。
ちなみに、ニックネームが「สุ sù ス 善」というタイ人もいる。
世界の中心に天界のメール山があるという世界観は、古代インドの宗教・哲学を取り込んだ東南アジアでは、今でも多くの場所で建築デザインに見られる。
ラーマ9世の新設された黄金の火葬場は、中心に高く聳える塔があるデザインで、中心の塔はメール山を表現する。
古代インド起源のヒンドゥー思想を取り込んだクメール王朝のアンコール・ワットも、中心に一段と高い塔(メール山)が配置されているデザイン。
クメール王朝で初めて仏教を国教としたジャヤヴァルマン7世が建築したアンコール・トム内にあるバイヨン寺院も、中心は須弥山(メール山)。