ラーチャブリー外伝 〜 岩山、番犬、ほか 2018年4月13日〜14日
バンコク〜ラーチャブリー間の外伝は、既に書いた。
ここでは、ラーチャブリーにいる間にも、いろいろあったことを記録しておきたい。
タイでもカンボジアでも、バイクで思いのままに観て回るのと、いろんな経験ができる。
今回、初めてのラーチャブリーをバイクでまわって、やはり全て順調とはいかなかった。
それ故に、思いもよらない、癒やし、危機があった。
2018年4月13日(金曜日)
広がる田畑、岩山
カオビン洞窟から出て、コウモリ洞窟をGoogle Mapsの目的地にセットして出発。地図では、目的地まで車で30分と案内がでた。
このエリア一帯は、農村地帯で、広がる平地のところどころに、昔話にでも出てきそうな岩山が、地面から出たコブのようにポツン、ポツンとある。
畑を貫く整備されたアスファルトの車道に走る車は殆ど無く、岩山を回り込むように道が続いている。Google Mapsの誘導に従って走ると、岩山をグルっと回って反対側の幹線道路に出たりする。
岩山は、近寄ると、正に岩山の地肌がよくわかる。
岩山には、外からでも分かるようなホコラがある場合もあり、大なり小なり、どの岩山にも鍾乳洞がある可能性は高い。人が内部に入れないだけで、エジプトのピラミッドのように、内部をスキャンして調査すると、新しい洞窟の発見があるかもしれない。
コウモリ洞窟へ向かう途中、วัดถ้ำน้ำ(水の洞窟寺院)の看板を発見し、立ち寄った。
水の洞窟寺院も、猿が住む岩山の地下にあり、思い掛けず、綺麗に整備された洞窟だった。
恐怖の番犬
水の洞窟寺院を出て、すぐ幹線道路を左へ向かって間もなく、ถ้ำสติ(THâm sàtì タム・サてぃ 覚醒の洞窟)という左矢印のついた看板があり、左には細い舗装されていないソイがあった。
一度通り過ぎたけど、せっかくなので、すぐ引き返して「覚醒の洞窟」も観てみることにした。
整備されていないソイを入る。
ソイを入ると、奥から走ってきたバイクとすれ違ったけど、不思議がられることもなかったので、この先に観光や参拝で人が訪れる場所があるんだろうと思った。
ソイに入って30メートル程行くと、民家があり、番犬らしき犬が吠えて騒ぎ出した。
姿が見えないので、気にぜす進むと、牙を剥き出した番犬が2匹、凄い勢いで寄ってきた。
若干パニクって、急いでバイクを走らせようとしたけど、その先、既に道はなく、荒れた畑のようなところを進むしかなかった。
番犬は、すぐに諦めて去っていったが、地面の状態に気付かず、更にバイクで進んでいたら大変なことになっていた。
幅15センチほどの盛土をした平均台を渡るような極細の通路があるだけで、両端は、水草か生え、ちょっとした沼地のようになっていた。そのまま走っていたら、恐らく沼地にバイクで突っ込んでいただろう。
沼地の寸前で行き詰ったところで、まずはドキドキする心臓を落ち着かせる。
選択肢は、沼地に落ちないよう慎重にバックし、あの番犬の場所を急いで突破して、幹線道路に戻るしかない。
バックして体制を整え、一気に番犬エリアに突っ込む。
ついさっきの番犬が、また牙を剥き出して、走り寄ってくる。
幹線道路近くまで、獰猛な番犬に追いかけられ、何とか振り切って幹線道路に戻ると、それ以上追っては来なかった。
元はといえば、この番犬がいるソイの対岸に、矢印付けて看板を立ててることが間違ってる。本来は、その先にある幹線道路の三叉路を左折という案内だった。
分からない人は、この看板を見たら、このソイを入るのかと勘違いすると思う。
もし、機敏に動けない年配者や障害者、小さな子供が迷い込んでいたら、どうなっていたか。
そして、一言いいたいのは、ソイに入った時にすれ違った奴。番犬のことは分かってたろうに、何も言わないのは、不親切極まりない。
タイは、特に地方の農村では、番犬がいる場合が多いように思う。
また、昼間はおとなしいけど、夜暗くなると凶暴性が高まり、知らずにエリアに入り込むと、獰猛に襲ってくる野良犬がいることも多い。
分からないエリアに入る時は、この番犬のリスクをよく想定して進む必要がある。
あるタイ人に相談すると、犬は、逃げる人間を追いかけて襲う習性があるから、動じないことが大切だと言う。けど、あのソイの獰猛な2匹は、動じす対峙しようとすれば、確実に噛み付いてきてたと思う。
もし、銃を携帯していたら、護身のため、絶対、射殺していた。
とにかく、寸前で沼地であることに気付いたが、立ち往生したところまで狂犬が追って来なかったのが救いだった。もし、立ち往生したところまで追って来てたら、バイクをバックさせたところで、間違いなく噛み付かれていたと思う。
バイクで沼地に突っ込むことなく、犬に追い掛けられてバイクで横転することもなく、無事に危機を逃れることができてよかった。
歳をとって機敏に動けなくなったら、絶対絶命だったろうと思う。
今思い出しても、心臓バクバクする思いをした。
結局、コウモリ洞窟というのは、よく分からず、公民館のようなところに辿り着いた。
近くには、บ้านค้างคาว(bâan KHáaŋkhaao コウモリ・ハウス)という宿の看板もあったけど、日も暮れそうだったので、宿に向かった。
夕日を見ながら、沼地に咲く、優しいピンク色の蓮花に癒やされる。
シンハビールのカッコいいロゴ
宿にチェックインし、近くのコンビニへ買い出しに行った。
そこに停まっていたバイクが、シンハビールのカッコイいいロゴを付けていた。バイクの黒に、金のシンハビールのロゴが映えている。
このシンプルなデザインのセンスがいい。
仙草ゼリー(เฉาก๊วย CHǎogúai)の露天があった。珍しいのは、イチゴ味など、シロップの種類があること。
取り敢えず、保守的に普通の黒蜜シロップにしたけど、美味しかった。
買い出しから宿に戻ると、結構、日が暮れていた。
2018年4月14日(土曜日)
ラーチャブリー、2日目。
Google Mapsでは、宿から6分(2.5 Km)で着くという、ถ้ำจอมพล(ジョームポン洞窟)へ向かう。
朝11:30に出て、着いたのが12:30。またしても、Google Mapsの下手な誘導を信じ過ぎて、時間を無駄にした。
Google Mapsは、間違った道に進むと、Uターンできる道を探して再度ルーティングする。普通、Uターンする道を探す前に、その場で車の向きを変えてUターンするけど、Google Mapsは、道を進みながら左折右折を繰り返して、ルートに戻る誘導をする。
せめて、黙って再度ルーティングする前に「ルートから外れました。」とでも言ってくれれば引き返すのに。この不親切のせいで、実は違う道をひたすら行くことになる。
お蔭で、6分で行けるところを、1時間掛けて、暑い日差しの中、ラーチャブリーの農村を楽しむことができた。
コブ山を迂回するように道を進む。
この山の麓には、竹が生えていた。
ここにも洞窟寺院。入らずに目的地へ進む。
コブ山を過ぎて暫くすると、舗装されていない砂利道。
ห้าม หา เห็ด(hâam hǎa hèd ハーム・ハー・へっと 禁・探す・キノコ)
「キノコ採取厳禁」の看板。こんなところで(毒)キノコ採りして、病気になった人が出たんだろうか。
そうこうし、ようやくถ้ำจอมพล(ジョームポン洞窟)に到着。
ジョームポン洞窟を見たあと、バンコクへ帰る際、また憎き恐怖の番犬がいる幹線道路を通った。
もう一度入ってやろうかと思いつつも、バンコクへのんびりと向かった。
バンコクへの道中、ラーチャブリーで何度か水を掛けられた。
例年、走るバイクや車に水をブッかけ、死亡事故も多発しているため、今年は、運転する人に水を掛けるのを禁止とし、警察の取締を強化すると事前告知されていた。実際に、逮捕される現場の動画がネットで出回ったりもしていた。
ห้าม เล่น น้ำ กับ ตัว ที่ ขับ รถ
hâam lên náam gàb tua THîi KHàb ró́TH
ハーム・レン・ナーム・がっぷ・とぅア・ティー・カっぷ・ろっと
禁止する・遊ぶ・水・〜と共に・体(人)・【関係詞】〜するところの・運転する・車
→ 走っている車との水遊びは禁止
裏路地などで安全に水遊びをしていればいいものを、今年も、幹線道路で軽快な大音量の音楽に合わせて踊りながら、やってるく車やバイクに水をブッかける馬鹿な奴が絶えなかった。
構えて待ってるガキどもに睨みを効かせながら距離を置いて走ったけど、ブッかけてくるガキどもがいた。
振り返って厳しく睨みつけてやったけど、あまりに酷いなら、引き返して、一人ずつ引っ叩いても良かったと思う。
毎年死亡事故を出していることは、ニュースなどでも報じられて、タイ人もよく知っている話しだ。そもそも、走っているバイクに水をブッかけるなど、危険なことだと少し考えれば分かること。
残念だったのは、あれほど取締を強化すると告知していたにも関わらず、バンコクのサトーンなどの大通りでも、走る車やバイクに堂々と水をブッかける馬鹿がたくさんおり、警察も放置していた現状。
取締の告知や動画は、表向き「やってますよ」アピールでしかなかったが、警察には、しっかり安全を保つよう仕事をしてほしい。