タイ語の語順
●被修飾語 + 修飾語
日本語では、「可愛い人」、「早く行く」のように、修飾語(可愛い、早く)は、被修飾語(人、行く)の前に置く。
タイ語は逆で、修飾語を被修飾語の後ろに置く。
日本語:修飾語 + 被修飾語(可愛い + 人)
タイ語:被修飾語 + 修飾語(人 + 可愛い)
可愛い人
คน น่ารัก KHon nârác コン ナーらっぐ
person cute(人 + 可愛い)
早く/速く行く
ไป เร็วๆ pai reoreo パイ れオれオ
go quickly(行く + 早く/速く)
ただの「人」ではなく「可愛い人」、ただ「行く」ではなく「早く行く」のように、修飾語(可愛い、早く)は、「どんな、どのように」と意味を限定する機能があることがわかる。
また、意味を限定する修飾語(説明)をあとから付け加えるの(後置修飾)がタイ語の特徴だとわかる。
●文:主題 + 叙述
タイ語の文は、「主語 + 動詞 + 目的語/補語」が原則。
日本語の「うなぎ文:主題 + 叙述」は、タイ語でも同様に頻繁に使われる。
「うなぎ文」とは、「私はうなぎ。」と言った場合、
「I am an eel.(私=うなぎ)」ではなく、
「I like an eel dish.(私はうなぎ丼がいい。)」とか
「I'll take an eel dish.(私はうなぎ丼を頼みます。)」
の意味が通常。
この場合の「私は」は、「私に関しては」の意味で、「私」は主語ではなく文の主題(何についての文なのか)。
主題は、通常、文の最初に言われる。
例えば、タイ語の文は、「主語 + 動詞 + 目的語/補語」が原則なので、
「私 + 好き + タイ料理(私はタイ料理が好き)」
という文は正しい語順だが、「タイ料理については」と主題にする場合、
「タイ料理 + 私 + 好き(タイ料理は、私、好き。)」
という語順も頻繁に言われる。
「(私) + 食べられません + 辛い料理(私は辛い料理を食べられません。)」であれば、
「辛い料理は、食べられません。」とか、
「食べられないのは、辛い料理です。」とか、
目的語や動詞を主題として、文の頭に言うことができ、タイ語でも同様の語順。
ただ、タイ語は、動詞の語形変化(活用)、名詞の語形変化(曲用)が無いので、例えば、動詞を主題として文頭に言う場合、動詞はそのままの形で動名詞として機能する。
กิน อาหาร เผ็ด ไม่ได้(cin 'aahǎan PHèd mâi dâi)
食べる + 食事 + 辛い + できない(辛い料理をたべることは、できない)
อาหาร เผ็ด กิน ไม่ได้('aahǎan PHèd cin mâi dâi)
食事 + 辛い + 食べる + できない(辛い料理は、食べられない)